Story Seller 2

出先で購入。出先で空き時間のために買うときは、リスクヘッジでアンソロジーを買うことが多いです。万一合わなくっても、別の作品を読めばいいので。さらには、好きな作家だらけだったのではずれることがないだろう、と。
収録作品は、次のとおり。

  1. 「マリーとメアリー ポーカー・フェース」沢木耕太郎
  2. 「合コンの話」伊坂幸太郎
  3. 「レミング」近藤史恵
  4. 「ヒトモドキ」有川浩
  5. 「リカーシブル――リブート」米澤穂信
  6. 「444のイッペン」佐藤友哉
  7. 「日曜日のヤドカリ」本多孝好

3と5は、短編としてはどうも消化不良の感があり、どうしたことだろうと調べてみたら、「レミング」は「サクリファイス」という小説の外伝、「リカーシブル――リブート」は長編の書き出しなのだそうです。

2のラストは、いつもながら伊坂幸太郎らしきラストの鮮やかさが心に残りました。

今回初めて読んだのが、本多孝好・佐藤友哉。どっちも、今度買ってみてもいいな、と思いました。

追想五断章

「ボトルネック」「犬はどこだ」に似た読後感、と言ったらいいか。

秋期限定栗きんとん事件

前2作がハマったならば、必ず読んでおくべき作品。なんとなく気が乗らなかったところ、読み始めて「世界に入った」ら一気にするすると読めました。

しかし、前作の終わり方からは、続編があるようにはとても思えなかったのですが。

儚い羊たちの祝宴

ちょっと出遅れましたが、発売当初から購入する気でいました。

  • 「身内に不幸がありまして」
  • 「北の館の罪人」
  • 「山荘秘聞」
  • 「玉野五十鈴の誉れ」
  • 「儚い羊たちの祝宴」

の5作品からなる、著者が「バベルの会」シリーズと銘打つ短編集です。帯のアオり等によると、「ラスト一行の衝撃にこだわり抜いた、暗黒連作ミステリ。」とのことで、宣伝に違わず、各短編ともラスト一行が味を出す、期待に違わぬよい本でした。

5作とも、北村薫のベッキーさんシリーズみたいな、いわゆる「良家」を舞台とします。そして、必ず良家の女子とその使用人(的立場の人物)が登場します。舞台設定は戦前くらいが似つかわしいように見えますが、作者の作品にはインシテミルの須和名や古典部シリーズの千反田えるが登場していますから、現代の話であっても問題ないかもしれません。

シリーズ名に登場する「バベルの会」は、大学の読書サークルだそうですが、その中身は本作中にほとんど登場しません。ただ、いずれの作品にもバベルの会の話が登場し、特に夏に行われるという蓼沼という別荘地での読書会は、語り手が皆その開催を前に胸躍らされるか、後にその様子を回想するかの形で書かれ、決してその当日の様子が直接に描写されることはありません。まるで、三谷幸喜の作品に登場する「赤い洗面器の男」のようなマクガフィンであるかのようです。そういえば、「山荘秘聞」には、語り手が「牛の首」の怪談をして大いに盛り上がったという記述があります。リンク先を見れば分かりますが、牛の首というのは誰もその筋を知らないが、とても怖い話と言うことだけが伝わっている怪談であり、マクガフィン的であると言えるかもしれません。