Google Maps の経路探索でてだこホールにうまくたどり着かない

Google map の経路検索が理解できない | https://www.zukeran.org/shin/d/2020/02/15/google-map-gtfs-2/

で、 GTFSに沖縄の路線バスが対応したおかげでGoogleマップでルート探索ができるようになったが、ときどき意味不明の経路を出す、という話があったので、自分が経験したパターンと、(おそらく)その原因になった事象について記す。

上記のツイートで「あとで書く」と言ったことの後始末。

なお、2月10日に発表されたTwitter Japanと日本青年会議所が情報・メディアリテラシーの確立に向けてパートナーシップ協定を締結した という件について、過去に日本青年会議所がメディアリテラシーに関する失態を犯していることを鑑み、私は大変不適切なことだと考えている。パートナーシップ協定の件をきっかけにTwitterの使用をきっぱりと止めた 友人・知人もいる中、Twitterを利用しながらこれについてまったく触れないのは賛同している、又は反対していないと受け取られる可能性があるため、ここで表明しておく。

例:那覇バスターミナルからてだこホールへ

浦添市のてだこホール(現在はネーミングライツにより「アイム・ユニバースてだこホール」)は中南部の様々な催し物に利用されているが、2月は隣の運動公園(同様に「ANAスポーツパーク」)で東京ヤクルトスワローズのキャンプが行われており、駐車場はすぐに満杯になります。バスで行こう、と考えるわけですが、Googleマップで そこで那覇バスターミナル方面からの経路を検索すると、少し首を傾げる結果が出ます。

普通考えられるルート:国道330号経由

てだこホールの近辺には、国道330号線を通るバスが、系統番号90番をはじめ多数走っています。土曜日でも10分に1本は走っているんじゃないか。となると、これで浅野浦バス停か、大平バス停で下車するというのが真っ先に考えられます。

浅野浦バス停・大平バス停の位置図。

Googleマップの提案1:美術館前から歩く

実際に検索してみると、Googleマップはまず、56番に乗って美術館前で下りて歩くルートを提案してきます。

美術館前からてだこホールは一番近いバス停なので適当に思えますが、実は56番は国道330号ではなく県道241号、通称パイプラインという片側1車線の狭い道を通った上に、屋富祖の商店街をぐるっと回ってからやってくるので所要時間がかかる。時刻表の標準所要時間で言うと、バスターミナルから美術館前は約40分。国道330号で浅野浦まで20分なのを考えると、いくら近くてもベストとは言えない。とはいえ、十分あり得る選択肢です。首を傾げるのは次から。

Googleマップの提案2:最寄りでない陽明高校前から歩かせる

次の選択肢では、90番、21番など、国道330号線を走るバスを選択しますが、下りるバス停が最寄りの浅野浦、あるいは大平ではなく、その一つ前の陽明高校前になってしまう。延々と約1.7kmを歩かされてしまう。明らかに、一つ先の大平の方が歩く距離は短くなるのに。

Googleマップの提案3:ゆいレールの最寄り駅から歩かせる

3つ目の選択肢では、ゆいレールで2019年10月に延伸されたばかりの区間から、最も最寄りとなる浦添前田駅で下車し、あとは歩くルート。先ほどより距離は短くなりましたが、それでも1km以上、18分歩くことになります。ゆいレールの定時性を考えれば、暑いときでなければ選択肢にはなるでしょうが……

Googleマップの提案4:同じルートを走るバスの逆向きに乗り換えさせられる

4つ目の提案は、国道330号線を走るバスで陽明高校前、大平、浅野浦も過ぎ去り、さらに2つ先の広栄で下りるルート。下りたら、すぐに同じルートの逆向きのバスに乗り、浅野浦で下りてから歩く、というもの。

以上を見ていくと、美術館前で下りる1、ゆいレールを使う3は考え方次第では可能性があるものの、2は下りるバス停の選択がおかしいし、4はわざわざ逆向きのバスに乗るという意味不明な経路になっています。

経路選択がおかしくなる理由:アンダーパスを考慮していない

経路4の辺りでピンときたのですが、おそらくこれは、GTFSの登録の問題ではありません。浅野浦バス停の北向きからてだこホールに徒歩で行くルートを、Googleマップがきちんと認識していないことが原因だと考えられます。

その証拠に、浅野浦バス停からてだこホールへのルートを徒歩で検索すると、徒歩25分・1.9kmというルートが提示されます。

実は、国道330号線はバイパスとして整備された経緯があり、浦添市内間の業務スーパーの前から宜野湾市我如古の中部商業高校前まで、約6.5kmにわたって横断歩道がありません。代わりに立体交差や歩道橋が整備されているのですが、歩行者に向けてはこれに加えて国道の下を通る歩行者専用のアンダーパスが用意されています。それがこの浅野浦バス停の直下にあるのです。

OpenStreetMapsによるてだこホールの近辺の図。歩行者が通れる通路が赤の点線で示されている。

OpenStreetMapsの記述に従えば、このように歩けば大平・浅野浦の両バス停からてだこホールに着きます。所要時間はそれぞれ10分前後でしょう。これが徒歩の選択肢として存在しないため、国道330号を越えるには陽明高校前バス停の歩道橋を利用するか、広栄の立体交差周辺の横断歩道を利用するしかないと Googleマップは誤認したのでしょう。

解決策:もしかして、ない? ありました

で、どうやったらこの状況を解決できるかですが、しばらく前にGoogleがゼンリンから情報を得るのを止めてしまって以来、不正確な建物の情報はGoogleに提案できても、「ここ通れますよ」という情報をGoogleに伝える術がない。スマホを持った人がたくさんここを歩けば認識されるかもしれないけど、地下なのでそれも望み薄。

ということで、どうしたらいいのだろうか……

解決策:Googleにフィードバックを送る

当面の策:iOSのマップを使う

ところで、iOSのマップアプリは、googleが対応する前から(おそらくNAVITIMEのデータで)沖縄の路線バス情報に対応していますし、先ほどの歩行者用通路の情報も入っているので、これを使うのが当面は最も便利だと思います。

徒歩のルートがちょっとだけ惜しい(本当は矢印のように行ってほしい)

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