- 「BG、あるいは死せるカイニス」石持浅海
[amazon_link asins=’4488493017′ template=’ProductAd’ store=’jtcy-22′ marketplace=’JP’ link_id=’73c7bfe3-a1c5-11e8-850c-4968e4d4fe19′]死者がよみがえってしまうという設定を舞台にした[amazon_textlink asin=’4488416012′ text=’山口雅也「生ける屍の死」’ template=’ProductLink’ store=’jtcy-22′ marketplace=’JP’ link_id=’7ceb1328-a1c5-11e8-b99f-c3e33e4d0e81′]のように、現実世界と異なるルールの下で書かれたミステリ、というのが昔から存在するわけですが、本作もそのような設定が用いられています。この世界の人類は、すべて女性として生まれ、青年期に回りより優れた個体が男性に変化して子孫を残す、という生態を持っています。
そのような世界で、進学校に通う主人公の異母姉 ((姉の母はその後男性化して主人公の父となったので、正確にこの状況を表す語は我々の世界には存在しなさそうです))が学校で殺害される。被害者は、優秀で周囲から将来の男性かを確実視されていた……という導入の本作では、殺人の謎と、この世界の性というもののあり方を巡る謎とが絡まり合って展開していきます。このような設定の世界では、社会はどうなるのか、といった思考実験も含んだ内容となっていて、これまで読んだことがある石持浅海作品とは毛色の違う部分に大いに驚きました。
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